Throbbing Gristle について

1992年に初めてミニストリーを聴いたときのことはすでに記したことがある。
初めてミニストリーを聴いたのは、CD店で N.W.O がかかったのを聴いてメチャ衝撃を受けた。
すぐにアルバム 詩篇69 を買ったし、ほどなくミニストリーのCDを集めた。
スキニー・パピー、KMFDM、ゴッドフレッシュなども好きになった。
当時、インダストリアルロックについて調べていたけど、同時に70年代後半~80年代初頭のインダストリアルについての記述もあった。
スロッビング・グリッスルSPKキャバレー・ヴォルテール、Test Deptなどなど。
当然これらのCDも買いに走った。
スロッビング・グリッスルのグレイテスト・ヒッツのCDを買ってみたら、裏面に載っているメンバーの写真に、YMOの開襟シャツを着ている人がいるじゃないか!
スロッビング・グリッスルは1980年のYMOのロンドン公演をメンバー揃って見た。
ステージを見た後、YMOの楽屋を訪ねてあのシャツをもらったらしい。
しかし、自分たちのアルバムのジャケットになぜあのシャツを着ていたのだろう…?
たぶんスロッビング・グリッスルが解散後に出たベスト盤だから、適当にスタッフとかが写真を選んだのだろう、と勝手に思っている。
だから、たまたまYMOの開襟シャツを着ている写真が選ばれただけなんだろう。
ちなみにYMOの開襟シャツを着ていたのは ジェネシス・P・オリッジ 。

ジェネシス・P・オリッジはクーム・トランスミッションを結成した。
クーム・トランスミッションの後には1975年にスロッビング・グリッスルを結成した。
スロッビング・グリッスルは1981年に解散するが、ジェネシス・P・オリッジはピーター・クリストファーソン、ジョン・バランス、アレックス・ファーガソン、ポーラ・P・オリッジとサイキックTVを結成した。
サイキックTVの活動の一方で、ジェネシス・P・オリッジは秋田昌美メルツバウ)やゼヴなどとコラボレーションしてアルバムを発表したことも。
1993年からオリッジは性転換、いや、パンドロジェニー・プロジェクトを行った。
オリッジがその妻のレディー・ジェイの容姿を、レディー・ジェイがオリッジの容姿をそれぞれ目指して行った整形手術らしい。
レディー・ジェイは2007年に亡くなっている。
2010年のTGのライブ・ツアー中にジェネシス・P・オリッジは脱退。
ジェネシス本人は「脱退していない」としていたけど…。
脱退騒動のあとにはサイキックTVでアルバムをリリースしていた
ジェネシス・P・オリッジは、2020年に亡くなった。

ピーター・クリストファーソンは1974年にヒプノシスのメンバーとなり、アルバム・ジャケットのデザインを手掛けた。
ピンク・フロイドのアルバム 炎〜あなたがここにいてほしい、アニマルズ、時空の舞踏、ピーター・ガブリエルのアルバムなどでピーター・クリストファーソンの名前がクレジットされたのを確認できる。
また80年代からはさまざまなMV(ミュージックビデオ)の監督をしていた。
一方で、ピーター・クリストファーソンはクーム・トランスミッションへ参加し、1975年にはスロッビング・グリッスルが結成となる。
1981年のTG解散後はジェネシス・P・オリッジとサイキックTVを結成する。
1983年にはサイキックTVを脱退。
またこの年にはヒプノシスも解散した。
ジョン・バランスと共にサイキックTVを離れ、コイルとして活動を始める。
コイルはジョン・バランスが亡くなるまで活動を続けた。
その後、ピーター・クリストファーソンはタイに移住。
ザ・スレシュホールド・ハウスボーイズ・クワイア名義で東南アジアの民族音楽的リズムや変調ソフトによるボーカルをとりいれたソロ活動を行った。
2010年11月、ピーター・クリストファーソンはX-TGのツアー終了から間もなく亡くなった。
ちなみにあだ名は「スリージー」で、TGのメンバーからもそう呼ばれていた。

個人的にはアメリカ滞在中には以下のCDを購入した。

・セカンド・アニュアル・リポート 
・D.o.A (最終報告書)
・20 ジャズ・ファンク・グレイツ
・グレイテスト・ヒッツ
・ヒーザン・アース ←ライブ盤
・Mission of Dead Souls The Last Live Performance of TG
・TGCD1 

たぶん、グレイテスト・ヒッツ から聴いたのだけど、1曲目の Hamburger Lady で「え?」となった。
ちょっと音的に聴くのがつらい…。
2曲目の Hot on the Heels of Love では全然聴きやすいポップな曲と感じた。
あとは普通に聴けるのはAB/7AとUnitedくらいか。
私のような一般人はTGを聴くのはグレイテスト・ヒッツだけでいいのではなかろうか?
リマスター再発盤ではD.o.A (最終報告書)、20 ジャズ・ファンク・グレイツ、グレイテスト・ヒッツを買った。

Hot on the Heels of Love

subhuman

AB/7A

20 Jazz Funk Great

United

Adrenalin
 

スロッビング・グリッスルは1980年のライブ音源を収録したカセットテープ×24本組という TG24 をリリースしたことがある。
各地で行われたライブ24公演の音源を収めたBOX。
各公演1時間ということで、24時間分のカセットテープということだったらしい。
ブックレット、バッジ、コラージュ写真、ステッカー等が封入された封筒が付属した。
2002年にはCD化された。
BOXにCD24枚組が封入…。
一公演のマスターが紛失されたとして、別の一公演に差し替えされたが、発売直前に紛失されたマスターが発見された。
TG24をミュート・レコードで購入した者には差し替えされた公演を含むBOXに加え、見つかったマスターより一公演分のCDが届けられたという。

スロッビング・グリッスルは国内盤ではかつてアルファ・レコードから出ていた。
BOXも3セット発売されていた。

・BOX1
・BOX2
・ライブ・ボックス

BOX1は、

・セカンド・アニュアル・リポート
・D.o.A (最終報告書)
・20 ジャズ・ファンク・グレイツ
・ヒーザン・アース

以上のCD4枚組。

BOX2は、

・Mission of Dead Souls The Last Live Performance of TG
・TGCD1

以上のCD2枚組。
こちらには完全ディスコグラフィーも付いていた。

ライブ・ボックスは、

・1976~1978
・1977~1978
・1978~1979
・1979~1980

以上のCD4枚組。

解散から24年。
2004年にTGは再結成された。

ミュータント・スロッビング・グリッスル
2004年に過去の音源をリミックスしたアルバムがリリースされた。
カーター・トゥッティの他、カール・クレイグ、トゥ・ローン・スウォーズメン、ベースメント・ジャックスのメンバーの サイモン・ラトクリフ がリミックスを手掛けた。

その後、ベスト盤 The Taste of TGが発売された。
The Taste of TGにはまだ制作中だったアルバム Part Two : The Endless Not からAlmost a Kissが収録された。

2004年、アストリアシアターでTGの再結成ライヴが行われた。
アストリアシアターでは限定ミニアルバム TG Now が発売された。
TG Nowは4曲入りで45分以上のアルバム。
再結成ライヴの観客向けに用意されたわけだ。

2007年にはアルバム Part Two : The Endless Notが発売された。
サンプラーを駆使したサウンドでTGとしては意外に聴きやすい。

2019年にはPart Two The Endless  Two The Endless Not  / TG NOWが再発。
Part Two The Endless NotとTG NOWのCD2枚組にして再発された。

2009年には、ニコのソロ・アルバム デザートショアをカヴァーしたレコード・セッションを収録したCD-R12枚組となる The Desertshore Installation をリリース。
62時間におよぶセッション内容。

2009年にはアルバム The Third Mind Movements リリース。
再結成後のセッションの模様を再構成したもの。
4分台のNot That I Amを除き、全8曲中の7曲が7分以上というアルバム。
Perception is the Only Realityは9分50秒。
10分に近い曲ですよ…。

TGV
DVD7枚組というTGのボックスセット。
2000セットのみ市場に出たと言われている…。
60ページのフルカラー写真集付き。
1979年から1981年および2004年と2005年の映像を収録。

2010年にジェネシス・P・オリッジが脱退したため、スロッビング・グリッスル は以後、X-TGと名乗って残りのツアーを完遂させる。
そのツアーが終わってしばらくしたら、ピーター・クリストファーソンが亡くなった。
そこでバンドは解散した。

2012年にはニコのソロ・アルバム デザートショアをカヴァーしたものとX-TGの最後のレコーディング作品としてアルバム デザートショア / ファイナル・リポートを発表した。
CD2枚組。
1枚目のデザートショアはピーター・クリストファーソンが構想していたもの。
ピーター亡き後はクリスとコージーが引き継いで完成した。
ニコのデザートショアを丸ごとカヴァーしたアルバム。
ボーカルはコージー・ファニ・トゥッティ(2曲)のほか、アントニー&ザ・ジョンソンズのアントニー・ヘガティ、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテンブリクサ・バーゲルト(2曲)、ソフト・セルのマーク・アーモンド、サーシャ・グレイ、映画監督・脚本家のギャスパー・ノエが担当した。
2枚目のファイナル・リポートはクリスとコージー所有スタジオにて行われたセッション音源をまとめたもの。