1992年。
すでに何度か記したと思うが、私はこの年、米国に留学していた。
1991年にはYMOの Kyoretsu na rhythm という編集盤がRestlessからリリースされた。
YMOの輸入盤!と個人的にも購入していた。
1992年には米国でRestlessからYMOのオリジナル・アルバムがCD化されていた。
というか米国でYMOのアルバムがオリジナルの形態で発売されたのはBGMとテクノデリック以外では初めてだったはず。
ほら、ファーストはアル・シュミットにリミックスされたし、ソリッド・ステイト・サヴァイヴァーは発売されずにX∞マルティプライズにされたし。
ちなみにRestlessから再発された増殖は収録時間が短かかったからか、過激な淑女とChaos Panic 、Lotus Love 、Kai-Koh が追加収録されていた。
Restless盤は個人的にはBGMと増殖とあと何枚かを購入した。
残念ながら全部は買えなかった。
予算的に。
あと、私が米国に行った時は時期的に米国盤のHI-TECH / NO CRIMEがリリースされてすぐだったらしい。
アメリカに行った翌日くらいにCD店に行ったらHI-TECH / NO CRIMEがガンガンかかっていたもの。
現地のタワーレコードの方が安かったので、タワーレコードで買った(笑)。
翌年にヨーロッパへ旅行へ行ったのだけど、イギリス盤のHI-TECH / NO CRIMEを購入した。
イギリス盤はアメリカ盤とジャケットや収録曲が異なっていた。
そして日本に帰国してからもやはりジャケットが異なっていた日本盤を購入した。
ところでYMOに限らずだけど、個人的にはリミックスとか大嫌い。
HI-TECH / NO CRIMEは当時でも聴くべきところはないと思っていた。
当時(今もあるのかは知らないけど)、米国でも日本の雑誌を買える本屋があった。
しかも立ち読みできた!
私はそこへ1ヶ月に一度出かけては立ち読みしたり、立ち読みしたり、立ち読みしたりしていた。
ところでそこの店でなんかお金払って買ったことってあったっけ?
お世話になったのに…。
そこで立ち読みしていたある音楽系の雑誌で、YMOのテクノ・バイブルなるBOXがリリースされることを知った。
限定リリースされるということで、私はすぐに実家に国際電話して購入してもらえるように頼んだ。
ちなみに留学中、実家にわざわざ電話したのはこの時だけだったと思う。
あと、もしかしたら帰国するときに迎えに来てもらうために連絡したかもしれないけど。
テクノ・バイブルはCD5枚組のボックス・セット。
ディスク1は前期、ディスク2は中期、ディスク3は後期と分けられて曲が収められた。
ディスク4はほとんどアフター・サーヴィスとフェイカーホリックからのライブ音源が収められた。
コズミック・サーフィンのみパブリック・プレッシャーから。
ディスク5にはHI-TECH / NO CRIMEなどからのリミックス音源、テクノポリスのシングルのヴァージョンやタイトン・アップのアメリカのシングルのバージョン、初期のプロモーションシングルなどが収められた。
リミックス…いらないな。
今思うと、買う必要がないボックス・セットだと思う。
けど、細野晴臣のインタビューなどが載ったブックレットがあったからなー。
細野晴臣はこのインタビューではYMOの再結成(再生)にはいっさい触れていなかった。
このインタビュー時にはすでにYMOの再生は決まっていたはずなのだけど。
そして雑誌STUDIO VOICEの1992年12月号は YMO環境以後|すべてはここから始まった と題された特集号だった。
リーダー細野晴臣が答える「YMO環境」の50問とコーナーにおいても細野晴臣はYMO再生のことはいっさい口にしていない。
STUDIO VOICEは毎月買っていた時期があったのだけど、そんな時に1992年12月の内容を知ったと思う。
ある書店ではたまたま店頭でSTUDIO VOICEのバックナンバーを売っていたので、頼まずに買えるとは!と喜んで購入した。
再生YMOのレコーディングは、1992年12月から始まった。
そして翌1993年2月5日にYMOの再生が新聞発表された。
この時、私はヨーロッパ旅行中だったのだけど、どのようにして知ったのだろうか?
覚えていない。
ネットとかなかった時代だった。
ヨーロッパ旅行後にはいったんアメリカに戻った。
荷物をまとめて約1週間くらいしてから日本に帰国した。
以前にも記したが、アメリカから日本に戻る時には飛行機で高橋幸宏の Heart of Hurt から何曲か聴けた。
この時には私はすでにYMOの再生を知っていた。
再生YMOの先行シングル ポケットが虹でいっぱい は4月28日にリリースされた。
4月より始まっていた ドラマ さくらももこランド 谷口六三商店 で主題歌として使用されていた。
エルヴィス・プレスリーのカバーで、YMOの音を期待していた私には正直、判断に困るような曲だった。
カップリングの HI-TECH HIPPIES では少しYMOが帰ってきたという感じがした。
5月23日にはFM大阪で12時間に渡ってYMOのメンバー3人が出演した。
私はこの日はアルバイトからの帰りにウォークマンで聴いた覚えがある。
電車内でラジオで聴いたのだけど、ラジオがあまり状態よく拾えなかった。
ちなみにラジオの内容はまったく覚えていない。
5月26日にアルバム テクノドン はリリースされた。
BE A SUPERMAN、DOLPHINICITYは特に好き。
あと WATERFORD、CHANCE がまあまあ好きかな。
当時、YMO好きの友人と話したのだけど、全体的に地味なアルバムだなーと言いあった。
今は個人的には割と好きなアルバム。
ただ、テクノドンって「好きなアルバム」とかあまり人に言えない感じのアルバムなんだよなー。
1993年6月10日にはテクノドンと題された本を発売。
メンバー3人の各インタビューとか録音時の3人の様子とか、いろいろ載っていた。
この本はけっこう読み返した記憶がある。
あとこの時、写真集も発売されたけど私は買っていない。
YMOの本はだいたい買ったと思うのだけど、写真集みたいのは買ったことないわ。
同日・翌11日には東京ドームにて再生YMOによるライブ開催。
のちにその模様はテレビ放送されたり、CD(数曲オミットされた。)、VHS、LDで発売された
CDはテクノドン・ライヴ、VHS・LDはTECHNODON IN TOKYODOMEとしてリリースされた。
TECHNODON IN TOKYODOMEはのちにDVD、Blu-rayで発売された。
Blu-rayはBlu-ray DiscとCDがセットで発売された。
発売時にはCDとLDを購入した。
VHSは後になって購入した。
VHSは箱に入っていて腕時計が付いていた。
当時は腕時計をする習慣がなかった私は、鞄に入れて時々時間の確認したりして使っていたわ。
ライブ時のBE A SUPERMANはベースの音が変わっていた。
あと、幸宏がドラムを叩くところで観客がスゴく盛り上がったりしてるところとか好き。
CHANCEのエンディングではライディーンのさわりを演奏したり。
このライブは、アルバム テクノドン 全曲+過去曲数曲を披露するという盛り上がりにくいライヴだったようだ。
あらためて記すまでもないが、ライヴには私は見にいってはいない。
再生YMOのライヴ見たいぜ、とは思ってなかった。
再生YMOは映像で見る限りではアルバム テクノドン のごとく、ストイックな選曲・演奏だったようだ。
あ、2日目の中国女では坂本がアドリブでコズミックサーフィンを弾いたところとかは盛り上がったか。
個人的にはここでの過去曲はあまり好きでなく、ラストのFIRE CRACKER くらいかなー好きなの。
ところで、2000年代になって再生YMOのパンフレットをブック⚪フで入手した。
セットリストのところには UT って書いていた。
実際には披露されなかったもの、予定にはしていたらしい。
演奏して欲しかったな、UT。
少し後に ピコ エンタテインメント なる音楽雑誌が発売された。
4月に行われていた YMO再生の記者会見の模様が確か全文載っていた。
内容的には好きな感じの雑誌だったな、ピコ。
ダメな記事も少しあったけど。
のちにピコ エンタテインメント Vol.2 が発売されて、P-MODEL 特集とかいろいろ載っていたけど、売れなかったのかピコはその後は発刊されなかった。
ところで当時、なにかのインタビューで 高橋幸宏 がYMOとしてこのあとミニアルバムをリリースしたい、とかいう発言があったと思う。
私はその後のYMOをスゴく期待していたのだけど、結局再生YMOの動きはアルバム テクノドンのリリースとそのライヴまでだった。
1998年にコンパクトYMOという書籍が発売された。
そこには細野晴臣のインタビューが載っていた。
細野晴臣は、再生YMOはYMOを終わらせるための儀式だった、と語っていた。
私は1993年当時、テクノドンのあとも再生YMOは続くのだろうとか思っていたのだけど。
再生YMOのアルバム テクノドンがリリースされたあとには、ミニ・アルバム テクノドン・リミックス I・II。
リミックスの二枚も当然のごとく購入したけど、これまで一回ずつしか聴いていない。
やはりリミックスは…。
同年6月10日・11日に再生ライブが行われ、およそ半年後にはビデオテープ/LDとしてTECHNODON IN TOKYODOME
としてリリースされた。
確か再生YMOのライブはNHK-BSで先に放送されて、のちにNHK総合でもオン・エアされた。
いずれもビデオで録画していた。
NHK-BSとNHK総合は内容が少し違ったはず。
東京ドーム公演のあった同日には、YMO本のテクノドンが発売された。
テクノドン録音当時の様子やメンバー3人それぞれのインタビューや三人の会話の様子とか。
個人的にはけっこう読んでいたなー。
先にリリースされたCD テクノドン・ライブはけっこう聴いた。
CD1枚にコンパクトにまとめられていた。
冒頭のBE A SUPERMANのシンセ・ベースの音がアルバムよりもこもこした音がかっこ良い。
あと途中で幸宏がドラムに移って叩いた時は観客の歓声も大きくなっていた。
ライブはテクノドンは全曲、アルバム通りの曲順で披露された。
途中では過去曲を少し披露。
ただし ポケットが虹でいっぱい はカラオケを使用し、YMO3人の振り付けがあったり。
途中にはCASTALIA、BEHIND THE MASK、中国女、アンコールに東風、FIRE CRACKERが演奏された。
アドリブで坂本龍一がCOSMIC SURFINを少しだけ演奏したりも。
CHANCEではラストにライディーンを冒頭だけ演奏して終わるという。
ビデオテープ/LDは12月になって発売されたもので、個人的には当初はCDとLDを入手していたけれど、5年くらいあとにビデオテープを買った。
ビデオテープのみに付属した腕時計が気になっていたから。
再生YMOのライブ、映像として見ると、現在としてはバックのCGがいまいちなように見える。
あのCGは当時では最先端だったのだなーと思うのだけど。