幻魔大戦 について 追補

先に記したように、個人的には幻魔大戦についてアニメをはじめに見た。
思えば平井和正石森章太郎と組み、少年マンガとして幻魔大戦を発表した。
後に再び石森とマンガというか結果としてよく分からない形で新幻魔大戦を発表することになるが、これも結局はきちんと完結せずに、その後は平井・石森はそれぞれ
幻魔大戦という物語を描くことになるわけだ。

平井和正は真幻魔大戦を書くが、内容的には幻魔大戦を経たのちに真幻魔大戦の世界が表出したようで、その旨を表すために石森と描いた幻魔大戦を改めて小説として著しはじめた。
小説版幻魔大戦は、基本的には石森とのマンガを小説として提示するものだったはずなのだが、その後は小説独自の進化を成し遂げてしまったという。

アニメ版幻魔大戦は、平井和正石森章太郎のマンガをベースとしてまとめられていたから、わかりやすくて良かったよ。
しかしながらアニメ版幻魔大戦は商業的にはヒットしたものの、あまり語られたりする機会が少ないように思える。
この幻魔大戦があったから、アニメ版AKIRAが広く知れ渡ったのではないだろうか。
アニメ版幻魔大戦あたりからだと思うのだが、アニメとして絵の質がグッと上がったと思う。
たぶん、幻魔大戦でマンガ映画がアニメ映画としてのクオリティを獲得するようになったのだろう。
それを引き継いだAKIRAもやはりエラいなあと思う。

ところで、当時のAKIRAはまだコミック版が完結していなかった。
マンガ版のAKIRAは、舞台とかそういうのはアニメ版のAKIRAより広く深い世界が描かれていたが、テツオの顛末みたいなものは基本アニメ版で描かれたものがコミック化されたようなものだった。
順序としてコミックで読めるものがアニメ化されるのはままあることだと思う。
アニメで見たものがコミックとしてまた読めたのは意外に不思議な経験だったと思う。