坂本龍一 について その5

今さらながらWikipediaってスゴいな。
4月2日にBABYMETALのWikiを確認したのだけど、BABYMETALのメンバーにMOMOMETALがもう載っていたもの。

ムツゴロウさんこと畑正憲が亡くなった。
享年87。
80年代に放送していた ムツゴロウとゆかいな仲間たち よく見ていた。
1986年には映画 子猫物語の監督・脚本を務めた。
1995年には クルタ 夢大陸の子犬 の日本版映画監督を務めた。
クルタ 夢大陸の子犬は日本・オーストラリアの合作映画。
監督はマリオ・アンドレアキオ。
…畑さんは日本版の声の監督とか?
ちなみに日本版の声の出演は牧瀬里穂所ジョージ
竹下景子竹中直人
ムツゴロウさんは2020年からYouTubeでチャンネルを持っていた。
ところでムツゴロウさんが監督をつとめた映画 子猫物語 の音楽を担当したのは坂本龍一上野耕路、野見祐二だった。

坂本龍一が亡くなった。
享年71。
別件でタワーレコードに行ったけど、坂本龍一のCDはなにも置いてなかった。
店舗によるのかもしれないけどスゴいな!
ネットでも売れてるらしいし。
アルバム 12 も売れてるらしい。
坂本龍一の逝去が報じられてから5日も経たずにムツゴロウさんも亡くなった。
坂本龍一は3月の終わりの頃に「音楽制作も難しいほど気力・体力ともに減衰しています。残念ながら手紙を送る以上の発信や行動は難しい」とか、小池都知事に手紙を云々という記事を読んだのだけど、その記事が載ったときには教授は既に亡くなっていたわけだ。

テレビでは教授の訃報でライディーンが流れた。
個人的にはライディーンはちょっと…と思ってしまった。
教授なら教授の作曲した曲があるだろ!と。
一般には教授の曲で知られているのは戦メリ(正確には曲名は Merry Christmas, Mr. Lawrence。)とenergy flowだろうか。
それにしても高橋幸宏が亡くなってから3ヶ月も経たずにまさか教授も…。
早すぎる…。
個人的には高橋幸宏が亡くなってからずっとショックを引きずっていたのに。
細野さんは90歳くらいまでは長生きすると思うけど、細野さんのときもライディーンが流れたりするのだろうか?
著名人のさまざまなコメントとかも見た。
YOSHIKIが戦メリを弾いたのも驚いた。
YOSHIKI自身は教授とは会ったことはなかったらしい。
教授のコンサートは見たことはあるという。

坂本龍一の仕事としては 是枝裕和・監督、坂元裕二・脚本の映画 怪物 のサウンドトラックが遺作となるようだ。
映画の公開は6月2日で、サントラ 怪物 は5月31日にCDとLPで発売される。
(LP盤は初回生産限定盤)
全7曲のうち5曲は既発表曲で、2曲は書き下ろしの新曲。
とはいえ、アルバム 12 の制作形態からすると、まだ発表されていない曲はあるのでは?
個人的にはアニメ exception 、Beckett、MINAMATA-ミナマタ-、The Staggering Girl 、約束の宇宙のサントラとかまだきちんと聴けてないし。
というかサントラの仕事多すぎ。

  

 

 

 

 

 

 

坂本龍一ベスト・アルバムは所属したレコード会社でいろいろリリースされたけど、教授自身が選曲したベスト盤はグルッポ・ムジカーレ、グルッポ・ムジカーレII、そしてUS、UF、CM/TV。

2002年。
坂本龍一は 完全ベスト として

・US(Ultimate Solo)全34曲・CD2枚組
・UF(Ultimate Films)全20曲
・CM/TV 全50曲

以上の3点を「全部入ってりゃいんでしょ!」(坂本龍一)としてリリースされた。
この3点の初回盤のそれぞれの帯裏の応募券を集めて送ると「お宝音源」としてCDがもらえた。

GEM(ジェム)ってのがそのCD。
坂本龍一自らが選曲した。
当初は5曲程度で考えていたらしいが、最終的には全20曲を収録。
わらべ の春風の郵便屋さん(めだかの兄妹のB面曲)、岡田有希子くちびるNetwork、ヴァージニア・アストレイデヴィッド・シルヴィアンのSome Small Hopeなどの他、映画の告知音楽とかいろいろ収録されている。

その1ヶ月後には古巣MIDIより ワークスI - CM と ワークスII - TV/Inst が発売された。
いずれも1980年代前半に作られた曲を集めたもの。
何曲かはCM/TVと重複する内容。

坂本龍一はベストアルバム US、UF 以降、オールタイムなベスト盤がリリースされていないのが気になる。 

あらためて考えてみると、教授って5歳から作曲していたというじゃん。
作品数、めちゃ多い。
CDになっていない曲もいくつか。
CDになっていてもまだ聴いていない曲がたくさんある。
例えばこの間、部屋を掃除していたらThe Fantasy of Light and Life というCDが出てきた。
中古でブック⚪フで買ったけど聴いていないCDだ…。
Wikipediaによると、教授はプロデュースだけで音楽は小久保隆という人が担当らしい。
CDのブックレットにはMusic Produced by Ryuichi Sakamotoとは書いてあるけど、作曲者とかのクレジットがない…。
小久保隆という人にしてもCo-produced by TAKASHI KOKUBOとしかクレジットないし…。
ジャケットには教授自身のコメント、Music Produced by Ryuichi Sakamotoの文字(ジャケット・裏ジャケ・CD盤面などで少なくとも5つある)。
館長のあいさつ文では「この間、坂本さんは映画ラストエンペラーアカデミー賞」云々という文字も入っている。
聴けば何かしら分かるだろうか?
ところで、ラストエンペラーの音楽は坂本龍一デヴィッド・バーン、スー・ツォンが担当。
なのでアカデミー賞作曲賞などの受賞はこの三者
印象的な曲はほとんど教授の作曲だと思う。
特に印象的なのはThe Last Emperor - Themeと
Rain (I Want a Divorce)の2曲。

なお、ラストエンペラーの音楽は当初は教授とデヴィッド・バーンによるコラボレーションで制作するつもりだったよう。
スケジュールの都合で結局、別々に作曲されたが。
あと、弦アレンジを上野耕路と野見祐二が担当したことも。
これも大事なんじゃなかろうか。

坂本龍一で個人的に好きな曲を記しておく。
基本的にソロの楽曲から(ただし歌もの多いけど)。

12. SELF PORTRAIT
11. Ballet Mécanique
10. Field Work    
9. Love and Hate
8. A Wongga Dance Song
7. Psychedelic Afternoon
6. Heartbeat (Tainai Kaiki II) - Returning to the Womb
5. Riot in Lagos
4. A PILE OF TIME
3. Parolibre
2. 1919
1. 大航海 Verso lo schermo ←かの香織ヴォーカル

 

SELF PORTRAIT。
基本的に教授の楽曲は暗い。
というか明るい曲はあまり多くないと思う。
SELF PORTRAITは教授の明るい曲の代表作ではなかろうか。
アルバム 音楽図鑑に収録されたけど、海外盤には未収録。
映画 子猫物語 でも使用された。

Field Work。
作詞・作曲は教授とトーマス・ドルビー。
12inchのLondon mixやTokyo mixではなく、海外盤のIllustrated Musical Encyclopedia などで聴けたヴァージョンのが好き。

 

Love and  Hate
フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドのホリー・ジョンソンがヴォーカルで作詞も。
ひと言でカッケー曲。
海外ではシングル・カットされた。
個人的にはシングルの輸入盤CDを購入した。

Heartbeat (Tainai Kaiki II) - Returning to the Womb
作詞・作曲 坂本龍一デヴィッド・シルヴィアンアート・リンゼイ
日本盤のアルバム Heartbeat ではヴォーカルがアート・リンゼイだったが、海外盤 Heartbeatではデヴィッド・シルヴィアン
デヴィッド・シルヴィアンのが歌メロもしっかりしていて、こっちのが圧倒的に好き。
シルヴィアンが歌ったのは日本・海外でもシングルCD化された。

Psychedelic Afternoon。
教授・作曲のボサノバですよ、ボサノバ。
歌詞はデヴィッド・バーン
ボーカルはポール・アレックス、アート・リンゼイ
アルバム Sweet Revengeでも好きな曲なんだけど、Sweet Revengeの日本盤のみ収録。
現在でもSpotifyなどでこの曲は海外では聴けないらしい。
AWAなど国内のサーヴィスでは聴けるよう。

A PILE OF TIME。
アルバム BEAUTYは教授のアルバムで個人的に好きな一枚。
個人的にはこのアルバムでもし一曲選ぶならこの曲。

ライヴ・アルバム プレイング・ジ・オーケストラ。
Sakamoto Plays Sakamotoはラストエンペラーおよび戦場のメリークリスマスのサントラ曲、さらに教授のアルバム曲からの数曲が演奏された。
教授が譜面を書き上げ、ラストエンペラーで使用されなかった曲も演奏された。
このライヴを終えたあとに教授はロサンゼルスに移動して、アカデミー賞を受賞したわけだ。
ライヴ・アルバム プレイング・ジ・オーケストラの初回盤のCD3にはNEO GEO TOURからの音源から3曲収録され、その中の1曲はエンニオ・モリコーネの1900(Romanzo)をピアノでカヴァーしたもの。
ちなみに1900はベルナルド・ベルトルッチ監督の映画 1900年のテーマ曲。
教授による1900は当時、お気に入りでよく聴いていたな。
ライヴ・アルバム playing the piano usa 2010 / korea 2011 でも聴ける。

個人的に好きな教授が関わった映画音楽についても述べておく。
いわゆる戦メリ、戦場のメリークリスマスは映画のタイトルで、そのメインテーマはMerry Christmas Mr.Lawrence。
当時、坂本龍一大島渚・監督からの出演要請に対して、音楽も担当させてほしいと返答したという。
戦メリのサントラは200時間以上をかけて制作されたという。
戦メリはサントラ盤、そしてサントラをピアノで演奏した Coda が発売された。
Codaは元はAvec Pianoというタイトルのカセットブックだったが、のちにレコード化された。
レコード化の際にJapan 、Codaの2曲が追加された。
曲では発芽 Germination、種子と種を蒔く人 The Seed And The Sower、種を蒔く Sowing The Seed、
ザ・シード The Seedが好き。
上の4曲は共通のフレーズがあって、個人的にはそのフレーズが好きなのだろうな。

マーガレット・アトウッドの小説 侍女の物語 The Handmaid's Tale  。
日本では1990年に出版された。
2019年には続編 誓願が出版された。(日本版は2020年に発売。)
2017年にドラマ化され、すごく人気のあるシリーズとなった。
今年の終わりか来年の初めのシーズン6をもって完結するらしい。
侍女の物語 は1990年に映画化され、その音楽を坂本龍一が担当した。
個人的には侍女の物語のサントラは輸入盤のCDを買ったけど、輸入盤のCDはトラック分けがされてなくて収録曲が全2曲になっていた。
あとから国内盤も買った。
こちらはトラック分けもきちんとされていた。
The Handmaid's Taleのメインとなるテーマはサントラのなかでも何度も使われているけど、曲としては これっ! ていうのがなかったと思う。
坂本龍一のライブやテレビで演奏していたのをCDで聴きたかったな。

テレビで見たHandmaid's Taleのメインのテーマの演奏はシンセおよびPCが必要なように見えた。
侍女の物語のサントラも、戦メリみたいにピアノだけで演奏したのが出て欲しかったな。
いや、Handmaid's Taleのメインのテーマだけでも。
って今となっては…だけど。

あと好きなのはシェルタリング・スカイのメインテーマであるThe Sheltering Sky Theme。


シェルタリング・スカイは基本的に坂本龍一が音楽を担当したのだけど、リチャード・ホロウィッツの曲やチュニジア民謡とかも含まれている。
The Sheltering Sky Themeはサントラにはピアノ・バージョンも収録されていた。
ライブでもよく演奏されたし、のちのアルバム 1996や /05 では新たに録音された。
教授自身お気に入りの曲だったかも。