TM NETWORK について その2

裸のラリーズ
公式サイトが今年10月に開設された。
そこでは水谷孝がすでに故人であることが明らかとなった。
発売中のレコードコレクターズ2022年1月号にはかつてラリーズに在籍していた久保田麻琴のインタビューが掲載されていて、来年には久保田麻琴によりリマスターされたラリーズの音源が一般にリリースされるらしい。
2019年には水谷孝はライブをしたいと久保田真琴との電話中で語り、ベースに細野晴臣を、という話もあったという。
久保田麻琴は細野と連絡を取り、細野はOKと返事したという。
その連絡を水谷にメールで知らせたが、その後、水谷孝は具合が悪化して亡くなってしまった。

かつて裸のラリーズのCDはリリースされたものの、数が少なく一般にまでは出回っていない。
何故だか分からないが、水谷は音源の流通を著しく制限していてその後の再発とか一切許可しなかったようだ。
一方ではラリーズのブートレッグが出回っていたという。
海外でもラリーズの存在は知られており、海外でもブートレッグが出回っていたらしい。
またネットオークションでラリーズのブートレッグが何度か出されたことがあり、それには水谷自身が関わっていたという噂もある。

裸のラリーズはとても特異な存在らしい。
ところで私はラリーズの名前を聞いたことはあっても、その音についてちっとも耳にしたことがないのだけど。
そのラリーズは来年、音源がリリースされる。

ライブ盤が何故か嫌いだった。
おそらくライブ盤の曲間の観客の声が入ったりするのとか嫌いだったのかも。
雑誌とかで多くのアーティストがライブ盤を発表したり、発表していたりという記事を厳しめの目で見ていたような気がする。
そんな私に「ライブってもしかしたら良いかも」と思わせたのがTM NETWORKだった。
アルバム Self Control リリース時のライブに行きたいと思って必死でチケット取るために電話したこともあった。
残念ながら電話は繫がらなかった…。
曲によってはライブ・バージョンのが良いと思うこともあるし。
例えばボブ・マーリーのNo Woman, No Cryとかライブのが良いし。
もちろんすべてのライブ音源が良いとは限らないがな!

というわけでTM NETWORKがライブ音源を集めたCDを二枚発売する。
ソニーAVEXからそれぞれ2枚組が1点ずつ。
つまり2点でディスクとしては4枚。
記しておきながらあまり興味はないのだけど。
TM NETWORK1984年のデビュー時にはライブをしないとしていた。
当時は機材的に充分なライブが出来ない、と判断されたのだろう。
だが、しばらくして方向転換。
その年12月にはライブを行っている。
ライブはELECTRIC PROPHETと題されて、渋谷と札幌の二ヶ所行われた。
おそらく札幌では1974がヒットしたこともあって、集客もできるとしてライブ会場に選ばれたのだろう。
このときの公演ではまだレコーディング前のELECTRIC PROPHET (電気じかけの予言者)がラストに披露されている。
ELECTRIC PROPHETの映像は後にVISION FESTIVALとしてビデオ・リリースされ、後にはDVD化もされた。
全編ライブというか様々な映像・音もおりこまれているけど。
あと、非公式ではこの公演以前にもライブが行われたことがあるらしい。
このライブ ELECTRIC PROPHET以降、TM NETWORKはライブ公演にかなり注力するようになっている。

TM NETWORKは三人組。
小室哲哉はシンセ、木根尚登はエレクトリック・ギター(時にはアコースティック・ギターや鍵盤)、宇都宮隆はボーカル(時にはギターも弾いたり)。
ELECTRIC PROPHET以降のライブではドラムやギターなどのサポート・メンバーが登場する。
この間の配信ライブはサポートなしだったけど。
かつてはエレクトリック・ギターに松本孝弘(現・B'z)がTMのサポートを行っていた。
TM NETWORKは三人の正規メンバーとサポート・メンバーにあまり隔てはなかった。
サポート・メンバーも度々、小室哲哉のSF ROCK STATIONに出演していた。
ラジオ出演のギャラはサポートの面々にもキチンと出ていたのだろうか?
松本孝弘はB'zの最初期にも小室哲哉のSF ROCK STATIONに出演したことがあったはず。
稲葉浩志も出演していたと思う。
ちなみに個人的にはBAD COMMUNICATION 以前のピコピコというかシンセの音も比較的よく鳴っていた初期のB'zの三枚のアルバムはよく聴いていた。
そしてFENCE OF DEFENSEのメンバー。
FENCE OF DEFENSEの三人、 西村麻聡北島健二、山田ワタルはメンバーによって時期は異なるが三人ともTM NETWORKのサポート・メンバーだった。
FENCE OF DEFENSEのメンバーは後々でもサポート・メンバーとしてTM NETWORKのライブで活躍した。
TM NETWORKはライブではベースがいなくなったけど、アルバム CHILDHOODS END、GORILLAの後のツアーでは西村麻聡Self Control、humansystemの後のツアーでは日詰昭一郎が務めていた。
(Major Turn-roundのライブ時には春山信吾、LIVE IN NAEBA'03、2007年のREMASTERでは吉田建が参加している。)
日詰昭一郎といえば、小室哲哉のSF ROCK STATIONで披露された 神社でB とか忘れられない。
小室哲哉のSF ROCK STATIONではドクトル日詰(日詰昭一郎)としていくつか曲を披露していて、ハンバーグ&カニクリームコロッケ名義でシングル・レコードを受注生産していた。
ハンバーグ&カニクリームコロッケのメンバーはドクトル日詰(ボーカル)とスーパーウェーブ小室(ギター)、ファンキーチョッパー木根(ベース)、バックオーライ宇都宮(ドラム)。
つまり日詰昭一郎TM NETWORKである。
作曲は日詰昭一郎(ドクトル日詰・名義)、作詞は日詰昭一郎、とおなねき(つまり木根尚登)。
神社でB / 恋のながら族 としてシングル・レコードがインディーズとしてリリースされた。
恋のながら族 では松本孝弘がギターで参加している。
このレコード、確か購入したい人は当時、東海ラジオに申し込みをすればよかったはず。
当時、高校生だった私は何故買わなかったのだろうか?
あと、土管でCという曲もあった。
こちらは残念ながらレコード化とかしていない。
現在では神社でBの音源はYouTubeニコニコ動画でも見られるというか聴ける。
日詰昭一郎はライブを行っていて、そのライブの映像が何曲かニコニコ動画で見られる。
松本孝弘がギターを弾いている。
日詰昭一郎は残念なことに2001年に亡くなっている。
43歳だった。
まだ亡くなるには若かった……。

ところで私がTM NETWORKを聴きはじめたのは1986年だった。
その年の8月にはFMラジオでTMのライブの模様を放送した。
記憶ではNHK-FMだったけど、もしかしたらFM大阪だったかも。
そのラジオは強制的に家族でどこかに行った(というか私は連れていかれた)ので、キチンと聴くことが出来なかった。
一応、車のラジオで聴いたのだけどほぼ記憶にない。
自宅のステレオでタイマー録音したはずなのだけど、何故か失敗してしまって録音出来ていなかった。
その年の11月か12月にもFMラジオで確かライブが一時間ほど放送されたはず。
You can Danceのライブを聴いた記憶がある。
ドラムの音のでかさには驚いた。
……この時のTMに関わらず、テレビとかラジオとか録画・録音したのをキチンと取っておけば良かったと思っている。
TM NETWORKの1987年の武道館公演。
後に映像化されたけど、当時はラジオで1時間放送された。
この武道館公演を収めたDVD FANKS CRY-MAXは2018年になって再発売された。
この時に2曲追加されている。
2曲追加されても全9曲とまだ少ないけどなー。
ところでこの当時はボーカルの宇都宮隆や演奏陣(小室哲哉のぞいて)が曲に合わせて揃ってダンスというかステップ踏んでいるのがかわいい。
松本孝弘もやっているんだぜ。
この武道館公演ではGet Wildでサンプリングの例のゲゲゲゲゲがはじめてフューチャーされたと思う。
Get Wildはこの武道館公演のやつやザ・ベストテン出演時の曲の冒頭や最後でピアノ弾いたやつとかが印象的。
武道館で演奏されたSelf Controlは後にKiss YouのシングルB面に収録された。
武道館公演のラジオ放送ではSelf Controlの終盤でラジオのお姉さんの「ここまで放送は~」だかの声が被せられていた。
そのナレーションが気に入らなかったので、武道館公演を収録したカセットテープにはラジオSelf Controlの上からシングルB面を録音して、そのテープを聴いていた。
Self Controlの終盤で切れ目なく次の曲 Electric Prophet に変わるのだけど冒頭だけでフェードアウトしてしまうのが切ない。
ちなみにこの武道館でのライブはそれまでアンコールがなかったTM NETWORKが初めてアンコールの曲を演奏したライブ。
Fool on the Planetを披露している。
このアンコールは急にはじまったので観客がビックリしたとの声を読んだか聞いた気がする。
だってTMにはアンコールがない、とこの時すでにみんな思っていたもの。

あと思い出したのだけど、BUCK-TICKのアルバム TABOOリリース時の武道館。
これも後に映像化されたけど、当時はFMラジオで1時間に編集されてオンエアされてた。
もちろん録音して聴いていた。
ICONOCLASM、TOKYO、FLY HIGHとかメチャクチャ痺れたなー。
このカセットテープはいまだに捨てていない。
まだ私の(元)部屋のどこかにあるはず。

TM NETWORKのライブ。
例えばCome on Let's Danceのライブでの間奏が、後にCome on Everybodyとなった。
Electric Prophetはライブの方がシンプルで良かったり。
とにかくCDとは異なるライブならではの音が聴けるところもTM NETWORKの魅力だった。

ところで今年、ウツと木根は64歳、小室哲哉は63歳になった。
TM NETWORKは今年、年齢的にもうあまり活動する時間が残されていないとして、最後の活動期間として復活したらしい。
でも、沢田研二とか矢沢永吉とか上の世代はまだまだ元気だったりコロナがなかったらガンガンとは言わないが演っていたのではなかろうか。
ムーンライダーズとかも演ってるし。
亡くなった かしぶち哲郎 の他のメンバーはまだ元気そう。
海外ではジェネシスとかもライブをやっているし。
つい先日もローリングス・トーンズの2015年くらいのちょっとした写真集をブック⚪フでパラパラと見てみたけど、確かにそこに写っていたのはジジイだったけど、まだまだ彼らも現役だ。
彼らは今年ツアーでもっとも収益を上げたアーティストらしいし。
まあ、チャーリー・ワッツは亡くなったけど。
TMの三人も以外とあと十年もしかしたら二十年とかやれるんじゃないかなぁ、と個人的には思っている。
二十年後のTM NETWORKの音とか想像するのも面白い気もする。
最もシングルのI amやアルバム QUIT30 は特に新しい音という感じではなかった。
あと、TMの Human System はモーツァルトピアノソナタ第11番(トルコ行進曲)を引用していたけど、最近脳内でI amを再生していたらピアノソナタ第11番のフレーズとあまり変わらない曲のような気がしているのだけど。